「どこで、誰に、なんで、売れているの?」
「どこで誰になんで売れているのかわからない」
「子会社からも販売後の顧客の情報、声しか届かない」
「失注した理由がわからない」
これらは、海外展開する日本メーカーから(業種・企業規模を問わず)頻繁に聞かれる悩みのひとつです。
製品を送り出した後、国レベルの売上数字は得られても、具体的な販売先や顧客の声といった“生きた情報”が本社に届かない。そのため、次の製品開発や販売戦略に活かすことができず、商社に任せるしかない/商品開発も現地市場に合致しない開発が繰り返されてしまう、というジレンマに陥ります。
この課題は、代理店や卸と協業している企業に限らず、子会社・現地法人を持つ企業、越境ECで直販している企業にも共通して見られます。販売チャネルの形態を問わず、「現地のニーズ」「顧客の声」が見えづらい、構造的な問題があるように思います。
皆さんの会社ではこんな「情報ギャップ」が起きていませんか?
特に頻繁に聞くのは、販売”前後”や”詳細”の情報不足です。
- 販売ルート:どの販売チャネル・店舗で・なぜ・販売されているか
- ペルソナ:購入者層や購入理由、失注理由
- 使用用途・方法:製品がどのように使われているか
- 改善点(商品開発):現地消費者の改善要望や不満点
- 競合情報:競合製品との比較評価や選択理由
情報ギャップが引き起こす4つの深刻な問題
上記のような情報ギャップは、実際にどのような問題を引き起こすのでしょうか。海外事業実態調査・各種製造業向け調査によれば、以下のような課題が多くの企業で報告されています。
- 的外れな製品開発:現地ニーズをつかめず、日本市場の延長線上で開発された製品が現地に受け入れられない。
- 市場変化への対応遅延:競合動向やトレンドの変化が遅れて伝わり、戦略転換のタイミングを逃す。
- マーケティング効率の低下:「誰に何が刺さっているか」が把握できず、メッセージや販促施策の最適化が困難。
- 価格戦略の最適化不全:価格感度や競合価格が見えず、過剰値引きや収益の取りこぼしが発生する。
情報共有の課題は企業の競争力に直結する
実際の現場では、販売数量などの定量データは共有される一方で、「どこで誰に売れているのか」「なぜ選ばれ、どう使われているのか」「顧客の不満点」などの定性的情報は本社に上がってこないという声が多く聞かれます。
このような定性的な情報のギャップは単なる情報不足ではなく、製品開発・販売戦略・価格設定・市場対応といった全方位に影響し、最終的に現在と将来の企業の競争力に大きく直結します。
情報が見えなければ、競争にもならない
市場の声が見えないという課題は、「現場任せ」「代理店任せ」「レポートの受け身姿勢」から生じています。これは単なる業務改善の話ではなく、企業の競争力そのものを左右する戦略的な問題です。
とはいえ、「ちゃんと報告して!」ではもちろんうまくいきません。情報を提供することによるメリット、インセンティブ設計が必要です。
変化が速く、競争が激化するグローバル市場で、”見えない市場”に製品を送り出すことは、いわばブラインドで戦うことと同じ。市場の声をどう収集し、どう社内で活かすかが、今後の勝敗を分ける大きなカギになるはずです。
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