海外展開を目指す日本企業が活用すべきプラットフォーム「LinkedIn(リンクトイン)」について解説します。
なぜ今、日本企業はLinkedInに注目すべきなのか?
海外、特に欧米ではビジネスパーソンの多くがLinkedInをビジネスツールとして日常的に活用しています。日本国内ではまだ浸透度が低いものの、海外市場へのアプローチには欠かせないプラットフォームとなっています。
LinkedInの基本データ
- 全世界のユーザー数:13億人以上(2026年6月時点)
- 欧米BtoB企業の多くがマーケティング・営業チャネルとして活用
- 経営層・役員クラスのアクティブユーザーが多い
日本企業の海外マーケティングにおける課題
海外展開を検討する多くの日本企業が直面する課題は以下の通りです。
- 高額な海外展示会費用:出展料・渡航費・通訳費など総額数百万円のコストがかかる
- 距離と言語の壁:海外顧客との持続的な関係構築が困難
- 営業リソースの限界:海外専任の営業担当者を置くコストが高い
- 効果測定の難しさ:従来の海外マーケティング手法では効果測定が不明確
これらの課題に対して、LinkedInは効果的な解決策になります。
LinkedInの強み:なぜ効果的なのか?
1. 世界中どこでも同じプラットフォームで、テストから本格展開まで対応できる
LinkedInの最大の強みは、世界中どの国・地域でも同じプラットフォームで営業活動ができることだと私たちは考えています。
展示会は出展エリアを決めなければならない。代理店開拓は市場ごとに戦略・コスト・人員が必要。広告も配信エリアの設定が先です。どの手段も「どの市場に入るか」を先に決めることが前提になっています。
LinkedInは違います。世界13億人以上の決裁者に同時にアプローチでき、顧客の反応を見てから市場を絞ることができます。アメリカで反応がよければアメリカに注力する。ヨーロッパの反応が意外に良ければヨーロッパを深掘りする。この判断を、実際の顧客データをもとにリアルタイムで行えます。
しかもアプローチ先は担当者ではなく決裁者です。深く・広く・速い。これがLinkedInが他のどのツールとも根本的に異なる理由です。
キーエンスは海外においても最初から代理店を使わず直接顧客にアプローチする「直販モデル」を徹底してきました。当時それを実現するには莫大なコストと人員が必要でした。しかし今の時代、LinkedInを使えばどの会社でも同じことができます。決裁者に直接アプローチし、反応を見ながら市場を開拓する——これがLinkedInによって初めて中小企業にも手の届く戦略になりました。
2. ターゲティングの精度が高い
LinkedInでは以下の条件で絞り込んだ検索が可能です。
- 企業規模(従業員数)
- 業界
- 役職・役職レベル
- 地域
- 部門(マーケティング・営業・技術など)
「アメリカの製造業で500人以上の企業に勤める購買部門のディレクター」といった具体的なターゲットに直接アプローチできます。
3. 関係性を資産として蓄積できる
LinkedInでのつながりは、一度構築されれば継続的な資産となります。他のマーケティング手法と比較してみましょう。
- 展示会:一時的な接点のみ。名刺交換後の関係維持が課題
- 広告:費用を止めると効果もストップ
- LinkedIn:一度つながれば継続的に投稿が届き、関係性が深まる。タイミングを逃さない
4. 言語のハードルを下げられる
LinkedInマーケティングでは、必ずしも高度な英語力は必要ありません。基本的なテンプレートや翻訳ツール・AIを活用することで、一歩目のコミュニケーションが可能です。
LinkedIn活用の具体的ステップ
Step 1:プロフィールの最適化
海外顧客に訴求力のあるプロフィールを作成します。
- 英語での自己紹介
- 顔写真とヘッダー画像の設定
- 自社の価値提案が伝わる経歴の記載
- 提供サービス・製品の明記
Step 2:つながり申請の戦略的実施
- ターゲット層の特定と検索
- パーソナライズされたメッセージ付きのつながり申請
- フォローアップメッセージの準備
Step 3:継続的な投稿による信頼構築
- 業界の専門知識を共有する投稿
- 自社製品・サービスの価値提案
- 成功事例や実績の共有
- 一貫したブランディング
Step 4:会社ページの活用
- 公式会社ページの設立と運用
- サービス・製品情報の掲載
- 企業文化やビジョンの発信
成功事例:LinkedIn Sales Navigatorで実績を上げた企業例
Siemens(製造業・産業機器)——営業サイクルを3〜6週間短縮
製造業・産業インフラ分野のグローバル企業Siemensは、Sales NavigatorをSalesforce CRMと連携させることで営業活動を大きく変えました。
Sales Navigatorを活用した営業チームは、使っていないチームと比べて意思決定者へのアプローチ数が2倍以上になり、営業サイクルを平均3〜6週間短縮することに成功しました。
「今日の営業環境では、1件の受注に10人以上が関与することがある。Sales Navigatorはその全員を特定し、アプローチするために欠かせないツールだ」——Siemens営業担当者
SAP(ITソフトウェア・エンタープライズ向け)——デジタルセリングでパイプラインが7倍に
エンタープライズ向けソフトウェアを提供するSAPは、Sales Navigatorを活用したデジタルセリングプログラムを全社展開しました。
ツールの使い方だけを学んだチームと比べて、ソーシャルセリングの行動様式まで含めてトレーニングを受けたチームは7倍のパイプラインを生み出しました。
Infosys(ITサービス・コンサルティング)——ROI1,000倍・約550億円のパイプライン構築
グローバルITサービス企業のInfosysは、2016年にいち早くSales Navigatorを全社規模で導入しました。
Sales Navigatorの活用により3億7,000万ドル(約550億円)の営業パイプラインを構築。ROI1,000倍という成果を達成しました。
「Sales Navigatorの活用により、私たちには3億7,000万ドルの営業パイプラインがもたらされた。これはROI1,000倍に相当する」——Infosys グローバルセールスエフェクティブネス責任者
※上記はすべてLinkedIn公式サイト掲載の事例です。
日本企業がLinkedInを活用する際のポイント
- 言語のハードル対策:英語のプロフィール作成
- 文化的差異の理解:海外ではより直接的な表現が好まれる傾向がある
- 継続性の確保:最低6ヶ月は継続的な投稿とつながり申請を実施する
- ターゲット選定の精度:業種・役職・地域を絞った戦略的なアプローチ
- スピード感のあるレスポンス:返信は1日以内にスムーズに行う
LinkedInマーケティングの課題と対策
課題1:継続的な運用の難しさ
内容を考え、記事を書き、英語の確認をして公開する作業はしっかりやるとかなりの工数がかかります。片手間ではいつの間にか投稿が途絶えてしまうケースも多くみられます。
課題2:英語でのコミュニケーション障壁
相手にとって違和感とストレスのないコミュニケーションを行うことで関係が構築されていきます。返信に迷って2〜3日経ってしまっては相手の熱も冷めてしまいます。
課題3:成果が出るまでの時間
広告運用とは異なり、潜在顧客とのつながり・信頼関係を長期的に構築していくのがLinkedInです。「3ヶ月やってみて成果が出なければ」というものではありません。逆に、継続して投稿を続けたアカウントは海外企業からも信用を得られ、長期的な資産になります。
実際に弊社のお客様の多くは1年以上継続してご利用いただいています。つながりやフォロワーが積み上がるにつれて、成果の出方が変わってきます。最初は小さな反応でも、蓄積が増えるほど反応が大きくなる——複利のように効いてくるのがLinkedInの特徴です。
自社で行うか、専門家に任せるか
LinkedInマーケティングは非常に効果的ですが、ただ投稿するだけ、つながり申請を送るだけでは成果は得られません。正しい知識をベースにした運用設計・事業戦略との連動・継続できるリソース・PDCAを回すための日々のデータ収集——「正しい運用」ができて初めて成果につながっていきます。
以下に当てはまる方は、専門家への外注を検討する価値があります。
- 運用のためのリソース(人材・時間)が不足している
- なるべく早く成果を出したい
- 継続できなかった過去がある
- 英語に不安がある
弊社では、日本企業のLinkedIn海外マーケティングを全面的にサポートする「Connexy for LinkedIn」サービスを提供しています。LinkedInの運用を一から代行し、海外見込み顧客との接点構築から商談化までをサポートします。
無料相談を承っております。お気軽にお問い合わせください。

