海外販路開拓を考えたとき、多くの経営者が最初に調べるのは「補助金」と「ジェトロ」です。
それは間違っていません。どれも日本企業には実績が多くある手段です。
ただ、KYNOVUSに相談してくる企業は、これらをすでに試しているケースも多くあります。そして「次の一手が見えない」という同じ悩みを抱えていらっしゃいます。
この記事では、補助金・ジェトロ・展示会が持つ構造的な限界を整理したうえで、それらを補完する手段として「LinkedInによるソーシャルセリング」がなぜ機能するのかを解説します。
補助金・ジェトロの「現実」
ジェトロは”きっかけ”であって、”継続”ではない
ジェトロが提供するのは、主に最初の接点、きっかけづくりです。リスト作成、展示会斡旋、マッチング機会の提供——これらは特に初めての海外進出の際、一定の範囲で間違いなく有用です。
ただし、接触後のフォローアップ、関係の継続、商談化の推進は自社で行う必要があります。ジェトロはあくまで公的機関として対応できる相談範囲があり、「直接海外顧客にアプローチして商談を作る」ことは支援の範囲外です。
実際にKYNOVUSの顧客企業でも、ジェトロのマッチングで1社から1回、お試しの発注はあったものの、その後の関係が広がらないというケースがありました。ジェトロに作成をしてもらった企業リストで問い合わせフォームから連絡を入れたが「1件も返信がなかった」という声もよく聞きます。
海外展示会、商談会などの実施も多くされていますが、その場には同業他社の日本企業が集中します。同じ会場に同業他社が並ぶ状態では、差別化はきわめて難しく、「費用が安いからやってみたけど、、」というお話もとても多く聞きます。
ジェトロは「試す機会の提供者」としてとても有効です。しかし貴社のビジネスに対して責任をもって成長戦略を担う役割ではありません。
補助金は”コスト軽減”であって、”販路”ではない
海外展開の補助金は、費用の一部を補填するものです。展示会出展費、翻訳費、EC構築費などに使える補助金は各種存在し、用途があるものがあれば申請を検討するのも良いと思います。
ただし、補助金を使って出展しても、その後の商談化の仕組みがなければ結果は出ません。また、意外な落とし穴となるのが、「補助金で出展しよう」となった際に「補助金の要件を満たすこと」がいつの間にか仕事になってしまうケースが多くあります。補助金は採択されるまでに相当な時間と労力がかかります。その工数を本来の営業活動に使った方が成果が出るケースも少なくありません。
限られたリソースの中で「やる事」だけでなく「やらない事」を明確に定め、リソースを集中させることも成功への近道です。
補助金は「安く試せる機会」を作るものであって、「販路」そのものを作る手段ではないことを理解し、本当に最適な選択肢である場合に申請を検討することをお勧めします。
では、LinkedInは何が違うのか
欧米のバイヤーにとって、LinkedInは”名刺”である
欧米、東南アジア、中東などのビジネスパーソンにとって、LinkedInは日常的なビジネスツール(SNS)です。

日本企業が気付いていない問題は、LinkedInをやっていないこと自体がすでに信頼を得られない(失いはしない)理由になっているという点です。「この会社、LinkedInがない」「代表のプロフィールが空だ」——それだけで、初回の信頼評価が一定決まってしまいます。当たり前に活用している海外ビジネスパーソンからすると、日本の感覚でいう「名刺がない」、「ホームページがない」、と近い印象を与えます。
展示会の名刺を「資産」にできる
展示会で集めた名刺は、そのあとの継続的な情報交換があってはじめて「資産」になります。
LinkedInでつながり申請を送り、つながった状態でLinkedInの正しい運用を続けると、展示会後に個別フォローしなくても、ソーシャルセリングとして情報が届き続けます。「展示会後、しばらく時間が経ってから見て引き合いが来た」、「社内の別担当者を紹介された」というケースが、弊社の顧客でも実際に発生しています。
逆の流れも起きます。LinkedInでつながった相手に展示会出展を告知し、その人がブースを訪問、リアルで話をして商談に発展する。オンラインとオフラインが連動した再現性の高い販路開拓の手段が形成されます。
補助金・ジェトロ・LinkedInは「競合」ではなく「連携」する
補助金やジェトロの活用を否定しているわけではありません。
補助金・ジェトロはスタート・出会いのサポートをする。LinkedInはその出会いを継続・深化・事業化させる。それぞれの役割があります。
問題は、マッチング・展示会出展のあと、そこで発生した商談のみを成果として終わりにしていることです。LinkedInをつなぐことで、投資対効果は格段に上がります。
よくある質問
LinkedInで海外営業するにはどうすればいいですか?
まず代表・担当者の個人プロフィールを英語で整備し、ターゲット顧客の業界・役職・国でリストを作成します。つながり申請→メッセージ→投稿でのナーチャリングという流れが基本です。

ただし、LinkedInはもともと仕様が複雑で変更も多く、英語コピーライティング・ターゲット設計・運用継続にはそれぞれ専門性が必要です。なかでも最も重要なのは「継続」で、自社だけで回し続けるのは簡単ではありません。
KYNOVUSでは、欧米企業のLinkedIn運用支援経験を持つ外国籍メンバーが運用を代行します。英語・リソース・ノウハウがなくても、海外顧客へのソーシャルセリングを仕組みとして回せる体制を提供しています。

ジェトロや展示会とLinkedInは併用できますか?
できます。むしろ推奨します。
展示会で名刺交換した相手にLinkedInのつながり申請を送ることで、展示会後も関係が継続します。ジェトロのマッチングリストに対しても、きちんと運用された信頼できるLinkedInアカウントからアプローチし、商談前に関係を作っておくことが有効です。
LinkedInの運用代行を頼むと何をしてもらえますか?
KYNOVUSのサービス「Connexy for LinkedIn」では、LinkedInの「正しい運用」に必要な作業がすべて含まれています。英語対応も含め、顧客側のリソースをほぼ使わずにLinkedInの正しい運用が継続できる仕組みです。プライム上場企業からスタートアップまで、業種を問わず専属チームで支援しています。
Sales NavigatorなどLinkedInの有料ツールは必要ですか?
精度の高いターゲティングにはSales Navigatorが有効です。業種・役職・地域・会社規模で絞り込んだリスト構築ができます。
ただし、ツールは「正しい運用」があって初めて効果を発揮します。ツールだけ導入しても成果にはつながりません。KYNOVUSでは、Sales Navigatorを含めた最適な設計を初回相談で提案しています。
まとめ:「次の一手」が見えない企業へ
補助金・ジェトロ・展示会を試した。そこそこ動いた。でも、継続的な案件創出や海外顧客の流入にはなっていない。
その状態は、ツールの問題ではなく「つなぎ方」の問題です。
展示会の名刺はLinkedInに移行する。ジェトロのリストにはLinkedInでアプローチする。欧米バイヤーが毎日見ているプラットフォームで存在を示す。
海外販路開拓は「一回出れば終わり」ではなく、継続して関係を育てる仕組みが必要です。
KYNOVUSは、その仕組みを代行・支援しています。
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筆者
株式会社KYNOVUS(キノヴァス)
代表:岩淵 優里奈(元キーエンス・海外ビジネス経験多数)
代表取締役 紹介ページ
アドバイザー:藤田 孝(元キーエンス海外事業部長・海外売上ゼロ→1,600億円)


