「LinkedInはあまり意味がないのでは?」という声を聞くことがあります。
しかし多くの場合、問題はLinkedInではなく使い方にあります。つながり申請を大量に送る、DMで売り込む、投稿だけして待つ、”いいね”で喜ぶ——正しい使い方を知らないまま動いている企業ほど、こうした結論に至りがちです。
LinkedInで海外BtoBの成果を出すための概念が、ソーシャルセリングです。この記事では、ソーシャルセリングとは何か、なぜ正しく使うとLinkedInが最適なのか、そして成果が出ない企業がやりがちな間違いを整理します。
ソーシャルセリングとは何か
ソーシャルセリング(Social Selling)とは、見込み顧客との関係を構築し、信頼を積み上げながら商談・受注につなげる営業手法です。「売り込む」のではなく「信頼される存在になること」が起点です。
この考え方自体はSNSが登場する以前から存在しますが、現代においてはSNSがその主な実践の場となっています。特に海外BtoBでは、LinkedInがソーシャルセリングの主戦場です。
海外BtoBにおいては、購買担当者の多くがウェブサイト・SNS・業界メディアなどで自ら情報収集を行い、ある程度比較検討した上で営業担当者に接触してきます。つまり「信頼できる会社か」という判断は、接触前にすでに始まっています。だからこそ、接触される前から信頼を積み上げておくことが重要です。
重要なのは、ソーシャルセリングは「すぐに商談を取る手法」ではないということです。中長期的な信頼の積み上げによって、タイミングが来たときに選ばれる状態を作ることが目的です。
ソーシャルセリングの強み
従来の営業手法との決定的な違いは「資産が積み上がる」ことです。
展示会は行くたびにコストがかかり、名刺交換で終わることも多い。広告は費用を止めると効果もストップします。しかしソーシャルセリングで構築したつながり・信頼・フォロワーは、継続するほど資産として積み上がります。
押し売りせずに信頼を伝えられること。タイミングが来たときに自然に選ばれる状態を作れること。そして積み上げた資産が複利のように効いてくること——これがソーシャルセリングが海外BtoBに効く理由です。
なぜLinkedInが最適なのか
世界13億人以上のビジネスパーソンが実名・役職付きで登録しているプラットフォームがLinkedInです。LinkedInを活用した企業の実績はLinkedIn公式サイトにも多く掲載されています。SiemensはSales Navigator導入後に営業サイクルを平均3〜6週間短縮し、意思決定者へのアプローチ数が2倍以上に。SAPはデジタルセリングのトレーニングを受けたチームが7倍のパイプラインを生み出しました。
なぜこれほどの成果が出るのか。理由は2つです。
①決裁者個人に直接届けられる Google広告や展示会では役職・個人を絞り込めません。問い合わせフォームへのメールは無視されます。しかしLinkedInなら、狙った会社の購買担当者・経営層に一人ずつ直接届けられます。
②資産として蓄積される つながりやフォロワーは会社の資産として半永久的に積み上がります。広告費をかけなくても、つながった相手に継続的に情報を届けられる状態が作られていきます。
欧米では名刺代わりにLinkedInを交換し、取引先をLinkedInで調べるのが当たり前です。「LinkedInを運用していない≒英語のホームページがない」という感覚に近く、ソーシャルセリングを正しく実践するために、LinkedInは現時点で唯一の主戦場です。
成果が出ない企業がやっている3つの間違い
LinkedInの存在は知っている、やってみたこともある——それでも成果が出ない企業には、共通した間違いがあります。
① 大量つながり申請・DM送りつけで一発商談を狙う
一発で商談につなげようとする発想自体が、ソーシャルセリングの考え方と真逆です。ソーシャルセリングの本質は関係構築です。対話のきっかけを作ることが目的であり、いきなり売り込むアプローチは逆効果になります。
② いいね数・フォロワー数を成果と思っている
投稿の目的は、いいねをもらうことではありません。継続的な発信を通じて信頼性と専門性を積み上げることが目的です。
フォロワーが増えても、それが購買担当者や意思決定者でなければ意味がありません。LinkedInの投稿は「見た人がこの会社・この人を信頼できるか」を判断する材料です。バズを狙うのではなく、自社の強みや専門性が伝わる内容を地道に積み上げることが、中長期的な引き合いにつながります。
③ 戦略なしでツールだけ使っている
Sales Navigatorの使い方を覚えた、つながり申請の文章を作った——しかし「どこの・誰に・なぜ売りたいのか」という仮説がなければ、どのツールを使っても成果は出ません。
「どの国の・どの業種の・どんな課題を持つ・誰に届けるか」という仮説を先に持つことが、すべての営業活動の起点です。仮説は最初から完璧にはなりえない。動きながらデータで検証して修正する。この繰り返しがなければ、LinkedInでもそれ以外でもうまくいきません。
LinkedInでのソーシャルセリングの正しい設計
LinkedInでのソーシャルセリングは、3つの要素で設計します。
① 信頼されるアカウント基盤
投稿が長期間継続されているか、つながりがいるか、専門性が伝わるか——これらは実態の見えにくい海外企業にとって、「信頼できる会社か」の大きな判断材料になります。この基盤がない状態では、どれだけアプローチしても「よくわからないアカウント」と判断されアクションが終わります。
② 興味を引く投稿コンテンツの蓄積
バズを狙うのではなく、「この会社・人は何が強みか、その背景にどんな思いがあるのか」が伝わる投稿を継続します。「この人、わかってる」と思わせる専門性・リアリティのある発信、同じ思いビジョンがあるなどの「共感を生む」投稿を継続することで、長期的な信頼と引き合いにつながります。
③ 自然で丁寧なアウトリーチ設計
ターゲットを絞り込み、対話のきっかけを作ります。すぐに商談を取ろうとせず、関係を育てる設計です。今すぐ商談にならなくても、長期的なつながりが将来の引き合い・採用・知名度向上につながっていきます。
この3つを継続的に回し続けることが、ソーシャルセリングの成果を生みます。単発の施策ではなく、LinkedIn運用自体が会社のグローバルインフラになっていくイメージです。
LinkedInでソーシャルセリングを機能させるために必要なこと
ソーシャルセリングは長期戦です。1回の投稿、1回のアウトリーチで成果が出るものではありません。
つながり・フォロワー・信頼——これらは継続することで複利のように積み上がります。逆に止まった瞬間に積み上げが途切れます。
また継続するだけでは不十分です。何が機能して何が機能していないかをデータで把握し、ターゲット・メッセージ・アプローチを修正し続ける戦略が必要です。
投稿・アウトリーチ・データ分析・改善をPDCAで回すには、ソーシャルセリングとLinkedInへの正しい知識が必要です。その知識がないまま社内で動かそうとすると、こうなりがちです。
- 効果が出ない理由がわからない
- LinkedInの仕様変更に対応できない
- 担当者が変わって止まる
- 目の前の業務に追われ、長期的な取り組みにリソースが回らなくなる
社内の限られたリソースが向かうべき場所は「どこの市場に・誰に・何を売るか」という事業戦略と仮説の部分です。ソーシャルセリングとLinkedInへの正しい知識を持ち、リーズナブルなコストで止まることなく運用を回し続けられるパートナーと組むこと——これが継続して成果を出すための最も合理的な選択です。
実際の成果(KYNOVUSのクライアントの例)
事例①:金属加工業・アメリカ向け展示会
弊社クライアントの金属加工企業がアメリカの展示会に出展した際、ブースにLinkedInでつながっていた人物が訪問してくれたとのことです。「LinkedInを見ていました」と声をかけてくれたそうです。
展示会の前からLinkedInで継続的に投稿・アプローチを続けていたことで、現地での認知が生まれていました。展示会という場で初めて会うのではなく、「知っている会社」としてスタートできる——これがLinkedInと展示会を組み合わせた効果です。
事例②:IT企業・海外顧客からの問い合わせ獲得
海外顧客の獲得を目的にLinkedIn運用を開始し、投稿とつながり申請を継続したIT企業のクライアントからこんな報告をいただきました。開始から7ヶ月後、過去に一度も取引・やり取りのない海外企業から「こういったことは対応可能ですか」という問い合わせが届いたとのことです。
こちらから営業をかけたわけではありません。継続的な発信と信頼の積み上げが、相手を動かした結果です。これがソーシャルセリングの本質です。
KYNOVUSのConnexy for LinkedIn
KYNOVUSでは、欧米企業のLinkedIn運用経験豊富な外国籍チームが、LinkedIn運用をトータルサポートしています。
リーズナブルに、正しく、継続できる。社内リソースを事業戦略に集中させながら、LinkedInを会社のグローバルインフラとして育てていくことができます。営業成果だけでなく、業界内での知名度・引き合い・採用まで、用途は広がっていきます。
まずは無料相談から
現状のお困りごとから同業他社での事例等、お気軽にお問い合わせください。
海外代理店との連携をLinkedInで補完する方法については海外代理店のリスクと失敗しない販路開拓の方法もあわせてご覧ください。


